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日本の株式会社は、株式会社の役割を果たしていない?-コーポレートガバナンス浸透は不十分-

 

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 日本では、2015年6月から、金融庁東京証券取引所が共同で策定し、コーポレートガバナンス・コードが制定されています。しかし、現状では企業の対応は前進しつつあるも、まだまだ米国には及びません。企業統治のためには、コーポレートガバナンスは重要です。その理由について記載していきたいと思います。

目次

 

 コーポレートガバナンスとは?

 コーポレートガバナンスとは、「企業経営を管理・監督する仕組み」のことです。株式会社であれば、株主が企業経営を監視し、企業は株主の利益の最大化を図る必要があります。これが本来の姿の株式会社の経営であり、企業統治という事になります。

各国のコーポレートガバナンスの認識

 コーポレートガバナンスは、日本と海外では大きな差があります。米国では、企業の所有権が株主にあると考えるのは76%で、利害関係者全体が24%となっています。それに対し、日本では企業の所有権が株主にあると考えるのは2.9%であり、利害関係者が97%となっています。このようにコーポレートガバナンス・コードがあるにも関わらず、日本人は、「会社は経営者のもの」といった概念が根強いです。

コーポレートガバナンスの浸透が不十分な要因

 コーポレートガバナンスの浸透が不十分な要因としては、経営陣にとって会社の業績と自分の給与が連動していないことや業績に直結して解雇される事態にならないため、「株価を上げるインセンティブがない」という日本の企業風土が要因ではないかと言われています。

 日本の経営者は、雇われ経営者と揶揄されています。それは、自分が経営者で何かを変えて、業績が悪くなると叩かれるからです。しかし、何もやらずに、今まで通りの業績を上げていれば、何も言われなく給与が支払われます。そのため、日本の経営者たちは、何かを変えようとすることなく、安全な方法をとっています。それでは株主の利益の最大化が図れるとは到底思えません。

 サイバーエージェント社の藤田晋社長は、AbemaTVを立ち上げる時に、株主から強いバッシングを受けたそうです。それに負けないぐらいの強い信念を持ち、AbemaTVに専念し、現在は収益の柱ともなっています。このような経営者は、日本には稀な存在と言えます。

 

敵対的買収(TOB)

 日本では、敵対的買収を行おうとすると、乗っ取りなどと言われ、ニュースにさらされ、奇行の目で見られます。企業は、それに対応しようと株主分割を行い、敵対的買収を逃れようとします。これは、皆さんの記憶にも深く刻み込まれているライブドアがフジテレビを買収しようとした出来事の片鱗です。しかし、この出来事からもわかるように経営陣は自分たちの保身のために、会社を乗っ取られまいと奔走するのです。これは、果たしてコーポレートガバナンスを遵守していると言えるのでしょうか?

 本来であれば、株主の利益の最大化を図るべきです。ライブドアと合併する事により、投資家が損失を被るのであれば、このような行動に出るのもわからなくはありません。しかし、ライブドアと合併していれば、堀江貴文氏はテレビとネットの融合を目指していたわけですから、その時代にサイバーエージェント社が提供しているAbemaTVのようなものが出来ていたのかもしれません。

コーポレートガバナンス浸透の解決策

 日本では、日本銀行年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用しているお金を合わせて、公的マネーは約40兆円(2016年時点)流入しています。それは、東証一部上場企業の約半数で5%超の大株主となっており、上場企業全体の1/4では事実上の筆頭株主となっています。

 公的機関が筆頭株主というのは、政府による民間企業への介入が容易となる危険性があるため、好ましい状態とは言えません。しかし、ここで日本銀行とGPIFによって、強いリーダーシップを発揮すれば、コーポレートガバナンスの浸透が一気に広がる可能性すら秘めています。大株主が動く事で経営陣も解雇される可能性もあるという危機感を募らせる事になります。

 

日本に投資をする意味...

 私は日本の企業が、このコーポレートガバナンスを真に理解し、そのように運営されなければ、投資をする意味はないかと思います。しかし、花王のように配当金を減配せずに出し続ける投資家の利益の最大化を図っている企業もあります。そのため、しっかりとコーポレートガバナンスを遵守している企業を見極める必要があります。2015年に麻生太郎財務大臣は、企業に対して「まだお金を貯めたいなんて、守銭奴にすぎない」と過激な発言をしています。しかし、これは真意なのです。企業が内部留保を貯めこみ、事業投資をするべきか、使い道がないのであれば、自社株買いを行い、株主の利益最大化に貢献するべきです。

 トヨタでも、収益がなくても10年間従業員に給与を支払えるだけの内部留保があると聞いたことがあります。使い道があるのかはわかりませんが、もしないのであれば、自社株買いを行うべきだと思います。

まとめ

 コーポレートガバナンス・コードが策定されてから、6年の月日が流れているものの、日本企業への浸透は、まだ不十分な状態です。本当に理解し、実践している企業こそ、投資価値のある企業ではあるものの、国内では限られている状態です。生涯投資家である私たちは、株主である以上、こちらにも企業を監視する役割を担わなければなりません。その企業がコーポレートガバナンスを遵守しているかということも踏まえて、投資先を検討していきたいです。

 

 今日はここまで...

 

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