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トリニティスタディ4%ルールの盲点-必ずしも成功は保証されていない-

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 トリニティスタディの4%ルールは、インフレ調整後で4%の資金を引き出しても95%の確率で30年間ポートフォリオの資金は底を尽きないというのが4%ルールです。しかし、この方法を実践したとしても、5%の人は失敗してしまいます。全て運に左右されてしてしまいます。

目次

 

トリニティスタディの4%ルールとは?

 トリニティスタディの4%ルールは、退職プランと経済理論を研究したトリニティ大学における論文が基になっています。ポートフォリオから毎年、一定割合の金額を引き出しつつ、残りの資金をそのまま投資した場合、ポートフォリオがどうなるかの研究をしました。その結果は株式:債券=50:50で保有したポートフォリオを4%ずつ取り崩した結果、30年後まで資産が尽きない確率が95%というものです。

トリニティスタディの論文を読む↓

https://www.aaii.com/files/pdf/6794_retirement-savings-choosing-a-withdrawal-rate-that-is-sustainable.pdf

 

 それだけではありません。株式:債券=75:25保有したポートフォリオを4%ずつ取り崩した結果は、30年後の資産が98%の確率で枯渇しません。それだけでなく、シミュレーションの結果、最低でも1.4倍・最大で16倍、中間で8.5倍と資産が増えます

 

トリニティスタディ4%ルールの盲点とは?

  • 税金が加味されていない
  • 信託報酬(管理手数料)が加味されていない
  • 5%の確率で資産が枯渇してしまう

 上記の3点がトリニティスタディの盲点となります。この3点に関しては、トリニティスタディの論文の中でも考えられておりません。

 税金に関しては、投資信託で日本では20.315%課税されてしまいます。米国株ETFである場合には、米国課税10%+日本課税20.315%と合算して約28.28%が利益から引かれてしまいます。また、投資信託といっても米国課税がされていないわけではありません。投資信託側で処理されているから、気づかないところで課税されています。この影響力は大きいため、可能な限り非課税制度の利用が望ましいです。非課税制度としては、NISAやiDeco・ジュニアNISAなどです。

iDecoは、SBI証券がオススメです↓

 

 信託報酬(管理手数料)は、0.1%以下のものも多くあるため、そこまで影響力は大きくありません。しかし、利益が減少するのは変わりはありませんから、把握しておくと良いでしょう。

投資信託の信託報酬などの運用コスト:0.0968%

米国株ETFの経費率:0.03%(この他にも為替手数料 約0.23%、売買手数料 約0.45%)

 

 一番の問題は、5%の確率で資産が枯渇してしまう点です。これは、FIREを目指す人にとっては、死活問題です。これは、リタイアした後に大きな下落相場に見舞われることで資産が増える時期を逃してしまった結果、資産が枯渇してしまうというものです。これをシークエンス・オブ・リターン・リスクと呼びます。いつリタイアするかは、運次第となってしまうため、是正策が必要となります。本来であれば、リタイア→上昇相場の継続→取り崩しながら生活→暴落がベストの順序です。しかし、これを必ずしも保証できません。

 

現金クッションと利回りシールド

 この問題を解決するために、提唱されているのが、現金クッションと利回りシールドです。リタイアしたものにとって、最大のリスクは、株式市場が暴落しているときに資産を売却しなければならないリスクです。これをしてしまうと損失が確定してしまいます。そして、相場の回復局面が来たとしても、資産の回復が鈍化してしまい、トリニティスタディのような理想的なリタイアはできなくなってしまいます。

 これに対する戦略はシンブルです。「下落している時に資産を取り崩さない」これだけです。

現金クッション

 過去に株式市場が暴落から立ち直るのに、どのくらいの年数がかかったかを知ることでどのくらいの現金クッションが必要なのか把握することができます。株式市場の暴落から立ち直るのは、中央値で2年、世界恐慌の時には配当を考慮に入れて5年かかりました。2008年のリーマンショックの時は、2年かかりました。そのため、5年分の現金クッションさえあれば、どんな大暴落が来ようと乗り越えられるということがわかっています。しかし、年間支出が200万円であっても、5年というと1000万円も必要になってしまいます。そこで、実際に必要な金額よりも少なくて済むようにするために、もう一つの戦術、「利回りシールド」があります。

利回りシールド

 米国ETFや高配当株式には、配当金があります。通常は、毎月・四半期・毎年に1度支払われます。リタイア後に資産が枯渇してしまう確率は5%です。しかし、それは、下落相場で資産を売却してしまった場合です。ただ、下落相場の時に余剰資金を活用できれば、資産を売却する必要がありません。分配金については、口座から引き出して使っても安全です。これを生活費の一部として充てることで、暴落時の一時凌ぎをするのです。だからこそ、米国株高配当投資や高配当ETF投資というのが流行してきています。

資産形成期のベストな戦略

 資産形成期のベストな戦略としては、ローコストなインデックスファンドもしくは米国ETFに非課税口座を使って投資をすることです。これは、いうまでもなく非課税制度を利用することで日本課税の20.315%を非課税にすることができるからです。投資信託でも米国ETFであっても米国課税の10%がかかってしまうのは変わりありません。

非課税制度(iDeco、NISA口座)以外は、投資信託一択

 非課税制度であれば、投資信託であろうと、米国ETFであろうと米国課税の10%しか課税されません。そのため、どちらでも良いと言えます。しかし、非課税制度以外であれば、投資信託の方が税制的に有利だからです。投資信託であれば、米国課税の10%が課税された後に配当金再投資を行なっています。しかし、米国ETFは必然的に米国課税10%+日本課税20.315%が課税されてしまいます。そのため、資産形成期においては、投資信託で投資することで日本課税の20.315%を節約でき、さらにその分も含めて再投資を行うことが自動的にできるからです。このことから、非課税制度は、投資信託で行うことこそが資産形成期としてのベストな戦略と言えます。

*投資信託においては、直接問い合わせをして、米国課税のみであり、配当金再投資を行なっていると確認済みです。

 

まとめ

 トリニティスタディの4%ルールに従っても、シークエンス・オブ・リターン・リスクとして5%の確率で資産が枯渇する可能性があります。また、税金や信託報酬などの運用コストが加味されていないことも懸念点として残っています。最も影響力が大きいシークエンス・オブ・リターン・リスクの対策としては、現金クッションと利回りシールドがあります。しかし、資産形成期の非課税制度以外の投資では、投資信託を選択することで日本課税の20.315%が課税されずに再投資することで資産の最大化が図れると言えます。

 

 今日はここまで...

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 資産形成期においては、二重課税が発生しないインデックス投資の方が資産の最大化を図れます。高配当株投資にもメリットはあり、配当金により、細かく利確を繰り返すことで資産を取り崩すという心理的抵抗を軽減させます。また、自分年金としても活用できるため、早期リタイア後の生活では大いに役立つと思います。

 FIREを目指すには、長い道のりです。途中で投げ出さないためにも小さな成功体験を積み重ねて、モチベーションを維持させていく必要があります。また、シミュレーションをすることで確固たる意思により、目標に向かって突き進むことができます。そのためにも投資初期にどれだけ入金力を高めることができるかが、複利の効果を最大限に享受する方法です。

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